大会テーマ「ヒトを人たらしめる子育て・保育~子ども集団の中で赤ちゃんは人になる~」

大会準備委員会委員長あいさつ

私たち人類(ホモ・サピエンス)は、社会を形成し、創意工夫の精神にあふれ、発見や発明を積極的に次世代に継承していきます。その結果、地球上でこのような繁栄をもたらしてきました。では、私たち人類は、それ以外の動物と何が違うのでしょう?どのような生存戦略に成功したのでしょうか?私たちの祖先は、火山の爆発、地震、津波、気温の変化、更に隕石の衝突など、様々な自然の脅威にさらされてきました。また、肉食動物から襲われる危険や、今回の新型コロナのような様々な感染症に脅かされたこともありました。過酷な生存環境の中で、生き物は自分たちの遺伝子を子孫に残すためにさまざまな戦略をとりました。ある種は、肉食動物と闘うために強い力と優れた運動能力を獲得しました。敵が追いかけてくることができない場所で生活をする能力を得たものもあります。さらには鋭い歯や爪など敵と戦うための武器を備えたものもありました。身を守るために皮膚が硬くなったものや、直ぐに再生する能力を得たものもありました。

そのように考えたとき、私たち人類は、体はそれほど頑丈でもなく、運動能力もさほどではなく、体にはさしたる武器も兼ね備えていません。それなのに、どうして生き延びることができたのでしょうか?意外にもそれは、お互いが「協力」するという戦略をとったからだといわれています。いわゆる「仲間」で社会を形成して、助け合うことで生き延びてきたのです。

そして人類特有の社会を形成するために必要な能力こそ、相手の立場を思いやる「共感」であり「協力」です。言い換えれば、共感し、協力する能力を発達させることこそが、ヒトを人たらしめる大きな要素なのです。赤ちゃんから持ち合わせるこの力を損なわせないように伸ばすのが子育て・保育だとしたら、これこそがヒトを人たらしめるものであり、ヒトという種が生まれたときから現在まで続いてきた、とてつもなく大きな営みなのです。

私たちホモ・サピエンスが20万年という長いスパンで継承し続けている子育ての営みを令和の時代に再考いたしたく、この13回大会を開催します。

研究者のみなさま、子育ての当事者である保護者のみなさま、現場でご活躍されている保育者のみなさまの積極的な大会ご参加を心よりお待ち申し上げます。

大会準備委員会委員長 小川 勝利(社会福祉法人いるま保育会 いるまこども園園長)

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