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『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』

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著者:島村華子
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
出版年:2020年
出版社書籍案内ページ:https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-2599-5

評者:濱口裕希


 島村さんはこの本の冒頭で、「先の見えない時代だからこそ、自分で考え、自分で動き、未来を切り拓ける子に育ってほしい。親も子も笑顔になる『誘導しない子育て』」と記しています。モンテッソーリとレッジョ・エミリア教育研究者であり、現在はカナダの大学にて幼児教育の教員養成に関わっている彼女の言葉には重みがあります。

 本書は、大人のエゴではない、子どものためのほめ方、叱り方を心がけた教育について、さらには大人の期待や評価を押し付けない子育てについて、実践的に紹介しています。普段何気なく行っている「ほめ方」「叱り方」を見直し、口ぐせを意識して少し変えるだけで、子どもとよりつながれるということが紹介されています。

 具体的には、子どもとつながるための聞く習慣について。“人間関係を破壊する習慣”と“人間関係を良好にする習慣”とがそれぞれ7つある等、選択理論心理学による行動の選択肢をあげています。

 人間関係を破壊する(子どもとぶつかる)7つの習慣とは、 ①批判する ②責める ③文句を言う ④脅す ⑤罰する ⑥目先の褒美で行動をコントロールする  ⑦ガミガミ小言を言う

 人間関係を良好にする(子どもとつながる)7つの習慣とは、 ①応援する ②励ます ③傾聴する ④信頼する ⑤尊重する ⑥違いを話し合う ⑦受け入れる
この7つの「つながる習慣」により、子どもとの良い関係が生まれるということが、科学的な根拠に基づいた内容で分かりやすく説明されています。

 子どもたちのために、日々の忙しさのなか、一所懸命に親たちはがんばっています。しかしながら、それぞれの理想、理想像のようにというのは苦しいものです。私自身、ふと立ち止まり、誰のための子育てなのかを考え直し、大人の都合を押しつけずに、純粋に子どもと接することができているか振り返ることが多々あります。人間らしく反省、成長を繰り返しながら自分にできることをできる範囲でやる。そして、とにかく我が子をたくさん愛する、という筆者の言葉には励まされました。そしてシンプルに子育てを楽しもうと気づかされました。

 子どもを一人の人間として尊重し、良好な関係を築くヒントがつまった本書は、子育て、子どもと関わる全ての方々にお勧めしたい一冊です。

 

 


【評者紹介】

濱口裕希