大会準備委員会委員長あいさつ

2019年度日本子育て学会第11回大会は、大会テーマ“地域にひらかれた子育て~人をつなぎ、世代をつむぐ”のもと、11月30日(土)~12月1日(日)に東京・調布市にあります白百合女子大学3号館にて開催されます。

本学会は、現在、発足11年目を迎えており、学会発足趣旨の柱である「研究者・支援者・保護者の三位一体的研究と実践」のもと、核家族、少子化、都市化が進み、家族のあり方の多様化、仕事の多様化、そして格差社会の進行といった変化のなかで、現代の子育てを保護者にだけ押し付けないあり方の解明を目指して、科学的データや、実践的知見の収集を積み重ねてまいりました。このことは、単に保護者の方々の重荷を軽減するというだけでなく、子育ての対象である子ども自身の文化的、社会的な発達にとって必須の条件となると考えます。まさに、子育ては、大人と子どもが、そして家庭と地域社会が、ともに育ちあえる共生的な環境のなかで実践されなければならないと考えます。

その中核が、家庭の中だけでの保護者による子育て活動や、保育所、幼稚園、学校の中だけによる園児、生徒の育成活動を脱して、「地域」にひらかれた子育てを行なうことにあるのでしょう。地域とは、単に、地域の人々による子育て実践の場というだけでなく、家庭や学校等が単独で子育て・教育を行なうことを排し、それぞれの子育て・教育の実践空間を結んで、自治体や企業などとも連携しながら、相互に影響し合う共同体を形成していく場、いわば社会的、文化的環境のなかでの“連鎖的参画”を通した子育て実践を推進する場でもあることが指摘されています。子どもたちは、そうした共同体の中でこそ、真の社会的、文化的発達を遂げていくことになると考えます。まさに、人をつないでこその子育て実践が完成していくのでしょう。

また、この共同体的環境は、子どもの発達段階の変化とともに、さらに、時代の変遷とともに変化していく存在であります。この変化する共同体をどう形成していくか、ということが子育て環境にとってのもう一つの重要な側面でしょう。この点で、核家族が主流の現代の家庭環境は親子2世代に限定されがちですが、共同体環境を形成していく上では、親子3世代間交流(祖父母-父母-子ども(孫))の工夫や、自治体の媒介による子どもを巻き込んだ3層の成人期(高齢層-中年層-若年層)間交流のあり方といった世代をつむぐ営みが重要になると思います。

 

以上のようなテーマに基づき、本大会では、これまでの学会での蓄積を再認識し、今後の課題を明らかにする場としたいと考えています。具体的には、以下のような人のつながり、世代間交流のあり方について考えてみたいと思います。

 

  1. 地域共同体づくりを通した家庭、学校環境の越境的展開の意義・効用と課題
  2. 祖父母-父母-子ども(孫)という親子3世代間、また、高齢層-中年層-若年層という3層の地域共同体と子どもの間の世代間交流を中核とした共同体的交流による子育て環境の意義・効用と課題
  3. 保護者を主な対象者とした資格認定活動の意義・効用と課題

 

会員の皆様、是非、会員外の方々をお誘いの上、積極的なご参加を心よりご期待いたしております。

 

第11回大会準備委員会

委員長 田島 信元