甲南女子大学人間科学部総合子ども学科10周年記念事業

企画・シンポジウム案内

11月28日(土)10:00~13:00,911教室

大会準備委員会企画 子育て座談会
「ウチの子あるある座談会2015 & 出前講習会:子育てエピソードの書き留め方」

企画 日本質的心理学会研究交流委員会:岡本依子(湘北短期大学)

後援 日本子育て学会広報委員会:梅崎高行(甲南女子大学)・持橋亜紀(学校法人すみれ学園 大和すみれ幼稚園)

座談会ファシリテーター 菅野幸恵(青山学院女子短期大学)・古賀松香(京都教育大学)・岡本依子(湘北短期大学)

出前講習会講師 古賀松香(京都教育大学)・菅野幸恵(青山学院女子短期大学)

 

企画主旨

日本子育て学会では,保護者・子育て支援者・研究者が三位一体となり共同して,子育てを支える,そして楽しむ仕組みを模索している.これは,日常生活から乖離しない立ち位置を模索するという点において,日本質的心理学会と目的を共有しうる.本企画は,2つの学会が共同し,子育て座談会および講習会を連続して行うという新しいスタイルでの企画である.前半の子育て座談会では,「ウチの子あるある座談会2015」と銘打って,すでに書籍化されたエピソードを呼び水として我が子エピソードや自身が保育支援のエピソードを自由に,そしてざっくばらんに語り合う.語ることで自分の子育てや保育支援を振り返り,また,他者の子育てや保育支援に耳を傾けることで新たな子育ての視点を見いだせるかもしれない.後半は,日本質的心理学会研究交流委員会の出前講習会として,質的心理学会より2名の講師にご登壇いただく.古賀松香先生からは,子育てや支援のエピソードをどのように記録すればよいか,記録のコツやヒントを含めて,時間を超えて読み返すことのできる記録の残し方についてお話いただく.菅野幸恵先生からは,その記録がどのように活用可能か,発表や分析として使うとしたらどのような可能性があるのかについて伺う.そして,実際に座談会で語り合ったエピソードを書いてみるという作業をしながら,研究にとらわれない子育てや保育支援の思い出を残す作業について考えたい.

 

タイムスケジュール

10:00~11:45 企画説明と子育て座談会

11:50~13:00 出前講習会とまとめ

*座談会と講習会の間には5分の休憩時間を設けます.講習会では軽食の準備があります.お弁当を申し込まれた方には,別途会場までお届けいたしますのでお申し出ください.召し上がりながら講習にご参加いただけます.

*本シンポジウム参加者の方で,託児を申し込まれた方は,本シンポジウム終了までを「午前のお預かり時間」といたします.どうぞご利用ください.

*研究者会員の方もご参加いただけますが,保護者あるいは支援者としての視点でご参加ください.また,休憩時間以降の講習会の時間は研究者会員の参加も歓迎します.

*呼び水エピソード用の参考図書;岡本依子・菅野幸恵・塚田-城みちる『エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学-関係のなかで育つ子どもたち』(新曜社)/菅野幸恵・塚田満・岡本依子『エピソードで学ぶ赤ちゃんの発達と子育て-いのちのリレーの心理学』(新曜社)


 

11月28日(土)10:00~12:00,912教室

大会準備委員会企画シンポジウム(1)

「子どもをとりまく“貧しさ”に愛着の視点から貢献できること―保育者・支援者・研究者の立場から―」

企画 高 向山(常葉大学)・松岡陽子(大同大学)

司会者 松岡陽子(大同大学)

話題提供者 松田正幸(まきばの家・こどもの家)

話題提供者 柴田俊一(常葉大学)

話題提供者 近藤清美(帝京大学)

総括・指定討論者 繁多 進

 

企画趣旨

近年,子どもの貧困問題が加速している.平成25年国民生活基礎調査によると,18歳未満の子どもの貧困率は16.3%と過去最悪を更新した.そして,経済的貧困もさることながら,それに付随して,子どもの発達をめぐる状況が様々なレベルの“貧しさ”にさらされるリスクが懸念される.

本シンポジウムでは,子どもをとりまく“貧しさ”に愛着(アタッチメント)の視点からどのような支援・貢献ができるのかということについて,保育者,支援者,研究者,それぞれの立場から話題を提供していただき,議論していく.まず,長年,児童養護施設に勤めてきた松田氏には,保育者の立場からその経験を語っていただく.次に,児童相談所でのコーディネーターとしての経験を有する柴田氏に,支援者という立場からの報告をいただく.さらに,愛着理論の観点で子育て支援の研究をしている近藤氏に,研究者の立場から報告していただく.


 

11月28日(土)13:00~14:30,912教室

大会基調講演

「貧困と子育て・発達」

講演者 根ヶ山 光一 氏(早稲田大学人間科学学術院)

 

講演内容

貧困による負の連鎖は子どもの育つ環境を劣悪化させ,その発達を大きく阻害する.講演では貧困(と富裕)がもつ多様な側面を検討し,それを通じて人間の子育て・発達における「お金」の意味を考察してみたい.

 

講演者略歴

negayama大阪大学人間科学部助手(1977-1986),武庫川女子大学文学部講師(1986-1990)・助教授(1990-1992)・家政学部助教授(1992-1994)・生活環境学部助教授(1994-1996),早稲田大学人間科学部助教授(1996-1998)・教授(1998-2004)を経て,早稲田大学人間科学学術院 教授(2004-現在).博士(人間科学)(大阪大学,1992).その間,英Edinburgh大学客員研究員(1991-1992),英Strathclyde大学客員教授 (2013),仏Toulouse大学招聘教授(2014)を歴任.受賞歴として,発達科学研究教育奨励賞(1990),発達臨床研究賞(2006),こども環境学会賞論文賞(2007)がある.

 

主要著書(詳細は以下をご参照ください

https://www.wnp7.waseda.jp/Rdb/app/ip/ipi0211.html?lang_kbn=0&kensaku_no=1531

○単著:「発達行動学の視座」 金子書房(2002年),「<子別れ>としての子育て」 NHKブックス(2006年),「アロマザリングの島の子どもたち」 新曜社(2012年).

○編著:「母性と父性の人間科学」 コロナ社(2011年),「身体から発達を問う」 新曜社(2003年),「ヒトの子育ての進化と文化」 有斐閣(2010年),「発達の基盤」 新曜社(2012年),「子どもと食」 東京大学出版会(2013年).


 

11月28日(土)14:45~16:15,911教室

大会公開イベント

うたっておどってあそびうた!あそびうた フェスタ

―あそびうたシンガーソングライターの共演―

企画・運営 前田豊稔(甲南女子大学)・藤本千佳(音楽講師)

出演・曲目

  • 藤本千佳(音楽講師)「にゃんこたいそう」「ふうせん」他
  • 小倉げんき(保育コンサルタント.保育園長)「ひざがわらう」「レッツゴーすりすり」他
  • Bee・らんち(土肥朱実,渡瀬みわ.特別支援学校教員)「つーとん」「みんなでアロハ」他
  • ぶんちゃか座(NPO法人生涯学習サポート兵庫)「まいて まいて」「ひっぷげ」他

司会   小野田リカ(タレント.あそびうたのお姉さん)

 

内容

関西在住の「あそびうたシンガー・ソングライター」4名による楽しいコンサートです.どうぞお子さまと一緒にご参加ください.

 

あそびうたとは

主として子ども向けにつくられた遊びと歌がひとつになったもの.かごめかごめ等,遊戯やゲーム,手遊びや絵かき歌など.広義にはダンスも含まれる.

・0歳から遊ぶことができ,手軽に盛り上がる楽しい曲がいっぱい.

・五感をつかって楽しめる様々な音楽(楽器を奏で,歌う,踊る,聴く,真似る,動作をする等)

・保育園,幼稚園,養護施設,友だちや家庭で楽しめる歌がたくさん.

 

備考

*本イベントは一般公開(参加費無料)いたします.

*障害のある児童の参加も見込まれています.

*曲目について,変更されることがあります.


 

11月28日(土)14:45~16:45,912教室

大会準備委員会企画シンポジウム(2)

「ほめシンポ」

企画 梅崎高行(甲南女子大学)・三木香織(白百合女子大学)

司会 三木香織(白百合女子大学)

話題提供者 高崎文子(熊本大学)

「あなたのおもう「ほめ」とは?」

話題提供者 田中あゆみ・柿沼亨祐・西口史香・園田琴絵・田尻春陽(同志社大学心理学部)

「ほめ行為が行為者の動機づけに及ぼす効果:ほめ方の違いによる影響はあるのか」

話題提供者 青木直子(藤女子大学)

「小学校1~3年生の教師のほめのとらえ方」

指定討論者 青柳肇(早稲田大学名誉教授)

 

企画趣旨

本シンポジウムでは「ほめ」研究に携わってきた研究者から話題提供を受け,子どもに対するおとなの豊かなかかわりについて考える.ほめや叱りに対する養育者の関心は高く,書店でも「これさえおさえればほめ/しかりはオッケー!」といったコピーで飾られる図書が散見される.しかし子育ては,そのように語られるほど単純なものなのだろうか.

そこで本シンポジウムでは,ほめがほめ手側に与える効果や,ほめられる側の子どもがおとなのほめをどう捉えるのかといった視点など,ハウツー化されたほめ(報酬)やしかり(罰)ではこぼれ落ちてしまう〔子ども―おとな〕関係に目を向けて,子育ての奥深さを見つめてみたい.

 

「あなたの思う「ほめ」とは?」 高崎文子(熊本大学)

他者をほめるという行為は,日常的によく行なわれている.誰しも人をほめたりほめられたりした経験があるだろう.ではその時,あなたはなぜ相手をほめましたか?ほめることでどうなる事を期待しましたか?またあなたはほめられた時,その理由をどのようにとらえましたか?ほめてくれた相手の思いを受け止めその後の行動に影響を受けましたか?

「ほめ」は,ほめ手と受け手の相互作用によって成り立っている.もしほめ手と受け手の間で,「ほめ」についてのとらえ方が異なっていたら,コミュニケーションが上手く機能しなかったり,ほめの効果が感じられないかもしれない.では実際に,「ほめ」についてのとらえ方が人によって異なることはあるのだろうか.どのようなとらえ方のタイプがあるのだろうか.

本シンポでは,「ほめ」について私たちがそれぞれどのようにとらえているのか,そのとらえ方の違いに焦点を当てて話題提供を行なう.

 

「ほめ行為が行為者の動機づけに及ぼす効果:ほめ方の違いによる影響はあるのか」

田中あゆみ・柿沼亨祐・西口史香・園田琴絵・田尻春陽(同志社大学心理学部)

これまでのほめに関する動機づけ研究からは,課題中の努力や進歩をほめられるほうが,能力や人物についてほめられるよりも動機づけが高まることが一貫して報告されている(例えばHenderlong, Ogle, & Geiger, 2006; Morris & Zentall, 2014).Dweck(2006)はこの効果を,人の知能や能力を努力によって変えられるものだと考えるグロウス・マインドセット(growth mindset)と,生まれつき決まっていて変えられないものだと考えるフィクスド・マインドセット(fixed mindset)との関連で説明している.さて,このような知見は,ほめの与え手にも適用できるのだろうか.つまり,ほめ行為において,何に注目してほめるのかにより行為者自身の動機づけにも異なる影響を及ぼすのだろうか.本研究は,大学生を対象に行った実験の結果を報告する.

 

「小学校1~3年生の教師のほめのとらえ方」 青木直子(藤女子大学)

保護者や教師向けの雑誌では「ほめすぎないように注意が必要」「子どもが嫌いなことをやりとげたときにこそほめよう」「子どもの好きなことをほめてしまうと興味を失うので注意が必要」など,さまざまなアドバイスが並ぶ.しかし,ほめに関する研究では,保護者・教師・実験者といったほめ手の視点からの研究が多い.そのため,さまざまなほめ方のこつが提案される一方,子どもが「ほめられすぎると嫌になる」「嫌いなことをしたときはたくさんほめてほしい」「好きなことをしているときはほめずにそっとしておいてほしい」というように考えているかどうかを検討した研究は少ない.そこで,本シンポジウムでは,算数の好みとほめられる頻度が異なる4名の主人公が教師からほめられるというストーリーを提示し,主人公の感情状態についてたずねた小学校1~3年生を対象としたインタビュー調査を紹介しながら,ほめられる側のほめの認知について議論したい.


 

11月29日(日)10:00~12:00,911教室

大会準備委員会企画シンポジウム(3)

「子ども向け発達検査の「今まで」と「これから」」

企画・司会 小湊真衣(田中教育研究所)

話題提供者 大熊美佳子(白百合女子大学)

話題提供者 尾野明美(小田原短期大学)

話題提供者 田中典子(区立中学スクールカウンセラー)

指定討論者 中村淳子(田中教育研究所)

指定討論者 佐藤真理恵(東京拘置所)

 

企画趣旨

発達検査は,「使う人の役にたつ物を」という開発者の思いをもとに,時間とコストをかけ,また多くの実験協力者の協力があって,はじめて世に送り出されるものである.しかし発達検査については誤った先入観や誤解も多く,必ずしも正しく利用されていないという現状がある.そこで本シンポジウムでは,発達スケールをもっと教育現場や子育て支援に役立ててもらうためにはどうしたらよいのかについて,様々な分野の方のお話をうかがいながら検討していきたい.

具体的には,現場における発達検査の使われ方や,発達検査に対するイメージについて.これまでの発達検査における良い点もしくは改善すべき点について.今後求められる発達検査のあり方や,発達検査をもっと活用してもらうために必要なこととは何かについて話し合いを行う.

このシンポジウムを通して,子ども向け発達検査をより良く活用してもらうための方法を探ると同時に,「これから」の発達検査に求められていることは何かについて,様々な立場の方のご意見をうかがいながら探っていけたらと考えている.


 

11月29日(日)10:00~12:00,912教室

大会準備委員会企画シンポジウム(4)

「地域と学校の連携による子育てを考える―中学校における学校支援の取り組みに注目して―」

企画・司会 大久保智生(香川大学)

話題提供者 時岡 晴美(香川大学)

話題提供者 福圓 良子(備前市立備前中学校学校支援地域本部)

話題提供者 平田 俊治(赤磐市立高陽中学校)

話題提供者 岡田 涼 (香川大学)

指定討論者 平井 美佳(横浜市立大学)

 

企画趣旨

近年,学校と地域の連携によって教育支援を図る多様な取り組みが,全国で活発に行われている.教師の多忙化に伴い,多くの学校が疲弊していることからも,地域の教育力に活路を見出す取り組みが行政などによって奨励されているのが現状である.また,最近の子どもの貧困などの問題を踏まえると,これまで主に家庭が担ってきた子育てについても,地域として何ができるのかについて今後議論していく必要があるといえる.学校や家庭よりも地域にはまだ余力があると考えられることからも,こうした地域に教育のリソースを求める動きは今後も加速していくことが予想される.特に,学校や家庭の状況を踏まえると,中学生にこそ地域の教育支援が必要となるといえる.このような地域の教育力を活かす事業の1つとして学校支援地域本部事業が挙げられる.本シンポジウムでは,特に地域に開かれた学校という視点から,中学校における学校支援地域本部事業の効果について検討を行い,地域住民が学校に入ることで子育てにどのように役立つのかについて,その意義や課題について考えてみたい.

話題提供者として,学校支援地域本部事業に関わっている研究者と実践者にそれぞれの研究や実践について論じてもらうこととした.地域と学校の連携について研究を行っている時岡氏には,学校支援地域本部事業の全体像について論じていただく.現役の学校支援地域本部のコーディネーターである福圓氏には,地域での取り組みやその工夫について論じていただく.勤務校に学校支援地域本部事業を導入してきた平田氏には,地域の特徴と学校での取り組みについて論じていただく.動機づけについて研究している岡田氏には,子どもや地域ボランティアのやる気について論じていただく.指定討論者として,子どもの貧困問題について研究を行っている平井氏には,発達心理学者としての立場からコメントしていただき,フロアーも含めて,地域と学校の連携による子育てについて,議論していきたい.


 

 

11月29日(日)13:30~15:30

大会準備委員会企画シンポジウム(5)

「子どもの貧困対策を考える-切れ目のない支援の構築に向けて-」

企画 倉石哲也(武庫川女子大学文学部心理社会福祉学科/大学院臨床教育学研究科)

司会 伊藤篤(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)

話題提供者 門田加奈(藍野学院大学/保健師)

「若年妊婦への支援:貧困で行き場を失う若者への支援を考える」

話題提供者 座波律子(大阪市養育家庭支援員/助産師)

「ハイリスク妊婦への支援を考える」

話題提供者 西橋隆三(神戸市灘区保健福祉部/社会福祉士)

「子どもの学習支援:子どもの貧困対策・生活困窮者自立支援を考える」

指定討論者 倉石哲也(同上)

指定討論者 寺村ゆかの(神戸大学大学院人間発達環境学研究科/助産師)

 

企画趣旨

子どもの貧困が次世代の貧困へと連鎖(社会的相続)することから,ライフステージの最早期(妊娠期)における対策は重要である.また,貧困家庭で育つ子ども・若者の自己肯定感や希望に満ちた将来展望を保障することも,こうした連鎖を断ち切るための有効な方策のひとつである.このシンポジウムでは,①若年妊娠者に対する支援,②出産前後のハイリスク女性への支援,③学齢期にある子どもの学習支援を取り上げ,それらの現状を振り返るとともに,子どもの貧困対策の課題と展望を論議する.